神田の住み心地

千代田区神田に住むアラフォーリーマンの日記。神保町、秋葉原、日本橋、大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の間という超都心に位置する神田界隈で過ごす日常生活や、暮らしやすさ、うんちくなどを語ります。 Twitter ID:kandazumi

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地震は怖いですね ー災害と神田ー

    熊本の地震報道を見ていると、改めて地震の怖さを思い知らされる。

    震災地域の皆さんのご無事と、一早くの復興をお祈りしたい。

 

    地震は他人事じゃあないのである、いつ東京にも地震が来るかわからない。

    地震を避けたいなら日本を離れるしかないのだろうから、それができない以上はどう折り合いをつけるか、ということになるのだろう。

 

    我が神田地域の危険度も気になったので改めて確認してみた。なお、記事内の地図はいずれも東京都都市整備局のサイトからリンクを貼らせていただいたものになる。

 

    地域危険度に関しては東京都が詳細に、建物倒壊と火災の二軸で都内全域を評価してマッピングしたものが公開されているので参考になる(地域危険度とは/東京都都市整備局)。これは2013年に東京都がまとめたものだが、ビジュアル化されていてとてもわかりやすい。神田に限らず、転居や不動産購入の時は必ずチェックしたい資料だ。無料だし。

 

   まず、地盤が影響する建物倒壊危険度を見てみよう。

   地盤に関しては、 神田もほとんどの地域は地理的には下町なのでちょっと心配である。

   ただし、「ほとんどの地域は」と言ったように、神田はちょうど武蔵野台地の東端にあたるので、台地上(駿河台)と下(内外神田)で地盤の性質は随分違う(だから例えば駿河台は神田地域だけれども「下町」ではない)。

    例えば、淡路町ワテラスはちょうど台地の端、崖線の上に建っているので、北側と南側で道路から建物までの高さが随分違うのが行って見てみるとよくわかる。あと、靖国通りが小川町のあたりで南に湾曲しているのも北側からせり出している台地を避けて道路を通したからだったりする。

   地盤の詳細は、先程リンクを貼った「地域危険度とは」というページの中に地盤の説明があるので照らし合わせていただくとよくわかると思う。

    まあ細かいことを言うと、「下町」部分でも地盤の差はあるのだろう。まず、江戸開府以前から人が住んでた地域(おおむね現在の中央通りに沿って銀座までの一帯(江戸前島)、それと常盤橋通りより北側)とそれ以外の地域で少し差があるはず。それ以外にも岩本町のあたりはその昔(といっても江戸初期〜中期)不忍池ばりの大池(お玉ヶ池)があったのを埋め立てた、とか、中央通りの東側には不忍池から日比谷入江に流れる川があった、とか個別に軟弱地盤かどうか気になる場所が無いわけではない。まあその辺はきりがないので割愛しよう。

    以上ような地盤評価に建物の堅牢さ評価を加えた上での建物倒壊度の評価は以下のようになる。

  

建物倒壊危険度マップ 

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/parts/kikendo_tatemono_map.png

 

    都内全域の地図なので少し見にくいのだが、千代田区の東北角にポツポツとオレンジ、緑色の地域があるのが見えるだろうか。これは危険度2-3にあたる。イメージとしては例えば杉並区あたりと同じ位の危険度になるだろうか。安全でもないがすごく危険でもない、といったところ。おそらく少しだけ残る昔ながらの長屋や看板建築の弱さが危険度を押し上げているのだと思うが、安全度が上がるのと引き換えにそれらがなくなってしまうのも寂しいので、なんとも複雑な気分だ。

 

    次に火災危険度。

    

火災危険度マップ

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/parts/kikendo_kasai_map.png

 

    こちらも千代田区東北角にある緑色主体の地域が神田なので、ほとんどが危険度2ということになる。人気の目黒、杉並区あたりよりよっぽど安全なのだが、住宅地としての評価は向こうの方があるかに高いのが悔しいところだ。まあ価値観の差なんでいいんですけどね(でもやはりちょっとだけ悔しい)。

 

    そして、建物倒壊危険度と火災危険度を総合勘案してはじいたのが街の総合的な危険度ということになるらしい。以下のようになる。

 

地域危険度マップ/東京都都市整備局

http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/parts/kiken_map.jpg

    一応、神田を含む千代田区全域は地域内残留地域(地区内残留地区は、地区の不燃化が進んでおり、万が一火災が発生しても、地区内に大規模な延焼火災の恐れがなく、広域的な避難を要しない区域…)[避難場所等の概要/東京都都市整備局]に指定されている。

    上でも触れたように、住んでる実感からすると個別には「おいおい大丈夫かよ」と思う古き良き、愛すべき看板建築なども散見されるわけだが、マンション住まいをする分には問題はないと思われる。少なくとも地震の後で地域全体が火の海、ということにはまずならないだろう。

    こうして改めて地図を使って俯瞰してみると、台東区以東の危険がよくわかる。地盤の緩さと不燃化度の差だろうか。地域の災害時安全度で考えるなら、都心で住むなら、千代田、中央、港、江東(湾岸地域)のいずれか、ということになるだろうか。

 

2016/5/7追記

 

この記事をご覧になるのであれば、ついでに

 

kandazumi.hatenablog.com

 

こちらの洪水と津波に関する記事もどうぞ。たぶん役に立ちます。

 

 

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